同じ日々の繰り返し

雑誌の後ろのほうに載ってるどうでもいいコラムが大好きなので真似して書いています。あくまで私見です。

視力

 私は目が悪い。My eye is bad.

 ...史上最低の書き出しをブチかましてしまったが、とにかく小学生あたりからだんだんと視力が落ち続け、今の視力に落ち着いている。

 小さい頃、暗いところで本を読んだりゲームをしていると母親に「目ぇ悪くなるよ」とよく忠告されていた。当時の私は、この忠告の重大さを分かっていなかったため、生意気にも「へーい」と返事をしては同じ過ちを幾度となく繰り返していたのだった。

 やがて小学校高学年になるころには、視力検査に毎回ひっかかり、医者に行ってください的な黄色い薄い紙を毎回もらうようになっていた。この時すでに視力検査の下のほうは黒い点にしか見えていなかったが、4択25%の確率にかけて勘で「右!」とか言っていた。分からなくても適当に答える、なんとも迷惑なオールスター感謝祭スタイルをとっていた。医者によるアンサーチェックの結果、両目ともワイナイナ並みのスピードで視力が落ちていたのだった。

 中学生になり、さすがに黒板の字が見えなくなってきた。目が悪い人は席替えの時に申し出れば前のほうの席にしてもらえるという謎制度があったが、自分から先生に接近するような意欲高野郎でもなかったし、むしろできるだけ後ろのほうの席でダラダラしていたい意識低野郎だったのでメガネをつくることにした。このとき、コンタクトにするという選択肢はなかった。怖かったのである。結局ここから高3まではコンタクトをはめる勇気がなく、授業の時だけメガネをかけるという目への負担かけまくりの生活を送っていた。

 とうとうコンタクトをつける勇気を絞り出した私は、近所の眼科に検査を受けに行った。その眼科は数年前に出来た新しい施設で、白を基調としてとても綺麗なところだった。そして何よりこの眼科で特徴的なのが、女性スタッフの若さと数だ。男性スタッフが1,2人なのに対して女性スタッフはいつ行っても常に7、8人はいる。そんなに広い眼科ではないので、女性が多すぎるのは一目瞭然だった。しかもこの女性たちが皆美人で、見た目20代なのである。島田紳助似の院長の趣味なのだろうか。”目の保養”という意味では眼科にぴったりだが、ガールズバーかここは、というツッコミが聞こえてきそうな空間だった。

 私のコンタクトデビューを担当したのも、白衣を着崩しまくった茶髪ギャルだった。こちらの不安をよそに颯爽と視力を測り終え、人生初のコンタクト装着の時がやってきた。自分ではめる練習をする前に一度こちらではめてみるとギャルは言った。さすがギャルである。グイグイ私の眼球にコンタクトを押し込んできた。数年間怖がっていたことをギャルにあっさりと克服してもらった。貴重な体験である。

 ギャルのおかげでコンタクトデビューを果たした私は、1dayコンタクトを愛用している。ただし、左目だけ乱視が入っているので、普通のものより少し値段が高い乱視用を買わないといけないうえ、定期的に検査が必要なのである。母親には「目ぇ悪くなるよ」という超絶ざっくりした忠告ではなく、「視力落ちてメガネの期間を経てギャルにコンタクト押し込まれてお金かかるし定期的に検査行かなきゃいけなくなるよ」と具体的な忠告をしてほしかった。